Sと申します。
もう10年以上前、私が38歳の時の話です。
当時わたしは結婚していました。
男ですので愛人でもいたらいいなあ、と思ってはいたのですが積極的にパパ活女子と接点を作る、
というようなことはしていませんでした。
きっかけは仕事でお付き合いのあった弁護士と会食したことでした。
私が接待する立場でしたが、食事のあと機嫌のよかった弁護士に、
「私の行きつけのお店に行きましょう」と誘われ、高級クラブへ。
そこでホステスのRさんが私の席についたのが始まりです。
Rさんは26歳、本職はペットショップでトリマーとして働いているということ。
自分の店を出す資金作りのため、夜はこうしてアルバイトしているとのことでした。
私はRさんにとても好意をもったのです。
この日はただ、メール交換をしてお店をあとにしました。
翌日、Rさんの方からメールが届きました。
このときは、ホステスさんの営業メールであろうと思っていました。
「また来てください、お待ちしております」の文面に対しては、
「高級な店なので私はプライベートではとても行けません」と返答したのです。
しかし、次の日もメールは届きました。
簡単な、「こんにちは、お仕事がんばってください」といった内容のメールでしたが、
クラブには高くて行けないと言ったにもかかわらず、メールが来たということは、
客としてではなく私を気に入ってもらえたのでは?…などという気がしたのです。
能天気かなと思いながら勘違い男と思われてもかまわないし、
と私は食事に誘うメールを送ったのです。
またすぐにメールが来ました。
「ぜひ、お食事ご一緒させてください、夕方だったら時間がとれます」
というような内容でした。
早速その週のうちに待ち合わせることにしました。
このときには、私にはそんなに下心があったわけではありません。
昼間はトリマーの仕事、夜はホステス、と働いている彼女はあまりゆっくりはできず、
クラブの仕事に出る前の1時間程度で食事をすることになりました。
このときも、もっぱら彼女の夢について話を聞いたのを覚えています。
「夜の仕事は大変だけど、頑張ってお金を貯めたい、人脈をつくりたい…」と。
私はそんな、目的のために一生懸命な彼女のことがかなり気に入っていました。
応援してあげたいという純粋な気持ちが生まれたのです。
そして聞いたのです。
S:「また会いたいけど、忙しいよね。でも、息抜きにたまには会ってくれないだろうか?」
R:「Sさんのこととても話しやすくて好きです。でも、私は自分の夢をかなえるためにはいっぱい働かなきゃいけません。時間がとれないんです」
S:「どうだろう、もう一つバイトを増やす気にはならない?私と会ってくれたら少しはパパとしてお手当てをあげられる。仕事だと思ったら時間を作りやすいんじゃないだろうか?」
彼女が私と会うためには理由が必要だと思ったのです。
そして、彼女は短い食事の時間で、私にそういう話をさせるように場の雰囲気を持っていく、賢い女性だったと思います。
R:「うーん、ちょっと考えさせてください」
その場では返事しない、やっぱり賢い女性でした。
でも、表情や態度から、OKだろうなと感じたのを覚えています。
翌日、彼女から連絡がありました。
定期のパパとして正式に契約をお願いしたいしたい、という話でした。
ビジネスライクなのが彼女らしい、と思いながら、彼女の望むお手当の条件で
パパとして関係をもつことになりました。
会うのは月に2、3回程度。
トリマーの仕事が終わって、クラブの仕事に出るまでの夕方の2,3時間。
1回につきお手当ては2万円。
そんなものでした。
初日、彼女の職場であるペットショップに夕方、車で迎えに行きました。
車に乗ってきた彼女の第一声は、
R:「私、犬臭くない?」
たしかに少々ケモノ臭い、車に消臭剤を置かなきゃいけないなあ…
そう考えながら、
S:「確かにちょっと動物の臭いがするね」
そう答えると
R:「早くシャワー浴びたい…」
この、彼女が自分の臭いが気になるという理由から、
会う時はホテルに直行というパターンが定着することになりました。
シャワーを浴びて、ホテルの部屋でテイクアウトの食事をつまみながら会話して、そのあとセックス。
そのあと彼女は身支度してホステスの仕事に行く準備、
私は2万円を渡してホテルを出たところで分かれる、という関係がしばらく続きました。
最初の方は楽しく過ごさせてもらいました。
一回り若い彼女と会う日を楽しみにしていました。
彼女はセックスにも積極的で、それなり楽しんでいるようでありました。
昼間はほとんどメイクをしないのですが、
ホステスの仕事のためには、ホテルを出る前にきっちりメイクをします。
もう出なきゃいけないのにメイクして色っぽく変化した彼女に欲情して、
また私が求めると、「ダメー!」と言いながらも、
R:「メイクくずれるから顔には触らないで」
と受け入れてくれる。そんな彼女に夢中になっていました。
しかし、そんな関係もあまり長くはつづきませんでした。
彼女は月に2、3回、私とホテルで過ごす。その関係以上のことは望みませんでした。
私からの「たまには食事に行こうか?」「旅行でもしようか?」
そんな問いかけにも、私が既婚者だから誰かに見られて面倒なことになるのは嫌だ、
という理由で断られていました。
ただホテルで過ごしてお金を渡すという関係が続き、
これだとホテトルと変わらないな、私もそんな思いになっていったのです。
そして、いくら彼女が若く元気だとしても、ハード過ぎたようです。
9時から18時までトリマーとして働き、それから私とホテルでセックス、
そして21時過ぎくらいから2時や3時までホステスの仕事。
ちょっと無理していました。
ホテルでセックスの後、しばらくまどろんで、
必死に起き上がり夜の仕事の準備をする彼女の疲れのみえる姿に、
私は申し訳ない気持ちを持つになりました。
最初の頃は限られた時間を惜しむように楽しめたのに、
やがて私は彼女を求めるのを遠慮するようになっていったのです。
会う日は私の方から連絡して決めるようになっていました。
次第に、私が連絡する期間があいていき、それに対して彼女も何も言うことはありませんでした。
特に別れを切り出したわけでなく、ついに、私が連絡することもなくなり、
彼女も何も連絡してこない。
1年ほどで自然に関係は消滅してしまいました。
寂しい気持ちもありましたが、もう今さら連絡してもしょうがないという思いがあって、
やがて私も新しい出会いを探すようになったのです。
彼女が働いていたペットショップはもう閉店していました。
ホステスをしていたクラブはまだありますが、もう働いていないでしょう。
自分の店を出すという夢はかなえられたのでしょうか。
誰かと結婚して家庭に入ったのかもしれないですね。
懐かしく思いながら、もう彼女と会わなくなってから10年以上たってしまいました。
また、一度会って話をしてみたいなとたまに思います。
でも、もう連絡をとることはないでしょう。